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思考の質は、問いの質に比例する【哲学とはなにか part.2】

問題提起編

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2019-11-02 12:24:27

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自由

考える

前回、「哲学とは考える過程である」で、哲学とは、「自らの周りにある物事の本質を深く問い、考え、語ること」と書きました。哲学をする上で大切なことは、何を考えるかではなくて、「物事をどのように考えるか」ということであり、どんな物事であっても本質を深く考えることで哲学たり得ます。深く考える上で一番大切なことはまず「問う」ことだとも書きました。
今回は、この一番大切な「問う」ことについて書いていきます。
(語ることは問う・考えるを補強するものだと考えています。こちらはまた別記事で。)


【私たちはなぜ考えるのか】

そもそも、私たちはなぜ考えるのでしょうか。ただぼんやりしていても、食べ物や飲み物、寝る場所といった衣食住を確保できれば生きることは最低限できます。でも、私たちは意識的にも、無意識のうちにも、身の回りの物事からいろいろなことを感じ、日々の生活を今よりも良くしたい、今の自分より少しでも良くなりたい、良い結果が欲しい、という「欲望」を持ちます。この「欲望」が原動力となって私たちは「考える」ことを始めるのではないでしょいうか。「知りたい」という欲望があれば、「なんで?」「どうして?」という好奇心が芽生え、また、「いい結果を残したい」という欲望があれば、「今やっていることは正しいか?」「それでいいのか」という懐疑心を持つように、などです。不安や悲しみ、拒絶、逃避というマイナスな気持ちにも「〇〇したくない」「〇〇という気持ちを消したい」「逃れたい」という欲望があり、それを出発点にしてどうしたら今より良くなるか考え出します。つまり、感じる→欲が出る→どうしたらいいかを問う→考える、という一連の流れがあり、そこから欲望を満たすための行動に移っていくのではないでしょうか。これまで述べた哲学の定義から照らせば、欲望と行動を繋ぐものが哲学だとも言えそうです。


【なぜ、問うことが重要なのか】

周りから何かを感じる→欲が出る→どうしたらいいかを問う→考える→行動する→欲望に対する結果がわかる→また何か感じる→・・・


かなり簡略化させた流れですが、このようなサイクルが人間にあるとして、哲学することとはこの「問う」「考える」の部分に大きくフォーカスします。私は上の流れから見ると、「どうしたらいいか問う」の部分が一番大切だと考えます。なぜなら、問い方次第で考える方向性、つまり行動と結果が変わり、また、その一歩手前の欲望や、周りから感じたものを改めて問うことで再定義することも可能だからです。

例をあげます。
憧れの先輩が服のセンスが良くて自分もオシャレになりたいと思う。

「どうやったら先輩のようにオシャレになれる?」
「オシャレな先輩と自分との違いってなに?具体的にどこがどう違うの?」
「なんで自分はオシャレになりたいと思うんだろう?モテたいから?」
「モテたいだけなら先輩ほどお金をかける必要はないのでは?」
「先輩はモテていて真似したい。でもモテているのはオシャレだからなのか?そこだけじゃないんじゃない?」
「そもそもオシャレってなんだろう?流行り廃りもあるし、見る人によってかなり基準が違うのでは?」
「オシャレなことはいいことだと漠然と思っているけど、本当にそうだろうか?」

最後の方はちょっとめんどくさいやつみたいになりましたが(頭の中で考えるのは自由です)、出来るだけたくさんの問いを挙げてみました。こうしてみていくと、問い方次第で思考が変わっていくということが、なんとなく想像されるのではないでしょうか。いろんな角度から問うことで、対象そのもの(ここでは自分自身)を見つめ直すことにも繋がります。「自分が本当に求めていたものは、オシャレになりたいということではなく、モテたいということだったのかも」という気づきがあるかもしれません。目的そのものが変われば、結局この人がどんな服を選ぶのかも変化がありそうですね。つまり、繰り返しになりますが、問いの方向性と質によって、思考の方向性と質も変わってくる、ということです。例として挙げた思いに対しても、ここにはないあなた独自の問いもあるかと思います。独自の問いがあれば、独自の考えも生まれてくるはずです。


【問いのフォーマットを用意する】

現状を打破するためにいつもと違う切り口で物事を考えたいと思ったとすると、いつもと違う問いを意識的に作ることがその近道になると思いますが、普段思い浮かばない問いをいきなり出すというのは難しいと思います。そこで、問いのフォーマットを用意しておき、ひとまずそれに当てはめていくのもいいと思います。上記の例のように問いが問いを呼び、思わぬ考えに着地するかもしれません。いくつか例を記します問いので参考にしてみてください。

参考:『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』梶谷真司 幻冬舎 2018  より抜粋。筆者より追加部分あり。


・言葉の意味を明確にする
 →〇〇とは何か?  〇〇とはどういうことか?

・理由や根拠や目的を考える
 →なぜ〇〇なのか?  なぜ〇〇と言う(思う・感じる)のか?

・具体的に考える
 →例えばどういうことか?  具体的にはどのようなことか?

・反対の事例を考える
 →そうでない場合はないか?  当てはまらない、別の可能性はないか?

・関係を問う
 →〇〇と△△はどのように関係しているか?  〇〇である場合、△△ということになるのか? 

・違いを問う
 →〇〇と△△はどのように違うのか?  どこまでが〇〇で、どこからが△△なのか?

・要約する
 →要するにどういうことか?  つまり、どういうこと?

・懐疑
 →本当にそうだろうか?

・5W1H
 →what(何?) , who(誰?) , why(なぜ?) , where(どこ?) , when(いつ?) , how(どのように?)

・時間と空間を移動する
 →時間軸で問う(過去、未来、現在)
  昔はどうだった? 未来はどうなっているだろう? 今は?
 →空間軸で問う(自分、他者、社会)
  自分にとってどういう意味を持つ? 自分はこうだけど、他の人はどうだろう? 
社会としては?日本は?世界は?

・問いそのものを問う
 →自分にとっての問いの意味を問う(なぜ、私は〇〇という疑問を抱くのか?)
  そもそも、どうなの?


次回はこれらのことを生かし、哲学することを実践していきたいと思います。問いと思考の一連の流れをまとめて書きます。
例にも少し挙げた服をテーマにする予定です。

哲学することについて私はこう考えるという意見や疑問も大歓迎です。

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