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言葉は「本音と建前」に分けられない 【青二才の哲学日記 vol.18】

問題提起編

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2020-05-02 13:10:00

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言葉

人間関係

コミュニケーション

【本音と建前とは】
何かしらに対する人の感情と態度との違いを示す言葉(Wikipedia)
本音:本心から出た言葉。 「 -を吐く」 「 -を漏らす」(大辞林 第三版)
建前:基本となる方針・原則。表向きの方針。 「 -をくずす」 「 -と本音」(大辞林 第三版)

【「本音」と対比した時の「建前」という言葉の印象】
表層的な。偽りの言葉。本心から出た言葉ではない。遠回しな表現を用いている。取り繕っている。愛想笑いとセット。

【人と話す時に「建前」を使うのはなぜか。本心そのままの言葉を発することを嫌うのはなぜか。】
嫌われたくない。
怒られたくない。
その場の空気を壊したくない。
良好な関係を保っておきたい。
感情的な本音をぶつけると「こいつに何言っても無駄だな」「こいつ面倒」ってなりそうで怖い。そうなる瞬間を見てきたという経験則。自分の言葉からなるべく正確な返事、思いが返って来て欲しいという思いもある。
「建前をうまく使って穏便に済ます方が良い、有利」という価値観をみんなが共有しているように見える、ということもあるかもしれない。

【建前を言う時の心の中のプロセスを考える。】
思いついた本心から出る言葉に対して「これを言ったらどうなるか」という想像力が働き、自分にとって有利になるように加工、または全く別のものを持ち出して、言葉を発する。

【発した言葉は「本音と建前」という形で分けられるのか】
その時の本心から思いついた言葉が、本心の全てであるとは限らない。無意識の中にまだ隠れているものがあるかもしれない。
本心からは全く別のものを持ち出すのは嘘に当たるだろうが、本心からの言葉を加工しているのはもちろん私であり、私が考えていることだ。この心の働きも本心とは言えないか。また、どれだけ加工したかという度合いの違いもある。発した言葉を本音と建前のどちらに含めるのか、はっきり場合分けすることは無理があるのではないか。「どっちとも言えない」という言葉もたくさんある。
また、自分の発した言葉が、本音であるか建前であるかを決めるのは私なのだろうか。判断を下すのはその言葉を受け取った相手なのではないのか。

【本音と建前という二元論を超える】
発せられた言葉を、本音と建前という二つの枠組に当てはめるのではなく、一つ枠組みを追加する。
・本心から浮かんだ言葉そのままの発言
・本心を加工した発言(想像力からの心の働き)
・本心から全く別のものを持ち出した発言(これも想像力からの心の働き)
普段用いられる建前という語からのイメージは3番目が一番近いのでは。

【本音と建前という二元論を前提としている社会】
みんなが建前でコミュニケーションをとることを前提としている社会は、常にその背後にある「本音」を気にして疑心暗鬼になる。ただし、他者の心の内はどこまでいってもわからない。わからないものを気にし続けることは相当のストレスではないか。相手を信じ続けるか、本音かどうか検証するという行為が必要になる。
とは言いつつ、本音のみのコミュニケーションもそれ相応のストレスを伴う。(前述の「人と話す時に「建前」を使うのはなぜか。〜」を参照)相手を傷つける、生まれるはずのなかった分断を産むといったことなどが考えられる。

【本音をデザインする。新たな価値観を加える。】
本心から思いついた言葉をそのまま出すわけでもなく、本音とは全く別の言葉を持ち出して取り繕うでもなく、本心を言葉にする前に「それを言ったらどうなるか」という想像力を働かせてから、最善と思われる言葉を選んで発言することが大切ではないか。なんだか当然のことのようであるが、つまりは言い方の問題である。本音を「自らの目的に沿うようにデザインする」とでも言い換えられるだろうか。また、「皆の発言が本音からデザインされた言葉である」という価値観が社会の中で共有できれば疑心暗鬼になることはない(はずである)。デザインされた過程もまた本心であると考えるからだ。

【本音をうまく伝えるために】
本音をうまく伝えるための技術としていくつか例をあげてみたい。
・ユーモア、冗談を混ぜる
・厳しいことを言ったと思ったらフォローを入れる
・逆に、褒めた後に厳しいことを言う
・声のトーンを変える
・表情を変える など
自分の目的というところに焦点を当てるなら、むしろ言わないというのも選択肢の一つである。相手に自発的に気づいてもらうようにする、ということだ。


こんな感じで考えて、本音をうまく伝える技術を磨きたいと思う今日この頃。臆病な私には必須である。毒舌キャラで本音をズバズバ言っても反感を買われない人が羨ましい。あれもその人の技術なのだろうか。


追記
こういった技術に「アサーティブコミュニケーション」というものがあることを書き終わって知った。もう少し早く知りたかった・・・。自分で考えて辿り着くことが大事だと言いきかせておくが。
https://www.assertive.org/intro/

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