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おひとりさまという武器 【青二才の哲学エッセイ vol.16】

問題提起編

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2020-04-18 14:38:06

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観念

孤独

緊急事態宣言が出て2週間が経つ。当たり前だけど、人と会う予定、この哲学chのラジオの収録も全てキャンセルとなり、仕事もついに今週からローテーションでの出勤になった。一人暮らしの私は、ほとんどの時間、部屋でずっとひとりぼっちだ。これを書いているのは自宅アパートのリビング。アパートの1階の窓からはお隣さん家の壁と窓だけが見えて変わりばえしない。光の入り具合も相変わらずよろしくない。でっかい風景ポスターでも買ったら少しは気分も変わるだろうか。

家に居る時は本を読むか、記事を書くことにほとんどの時間を割いている。このような情勢になるまでの土日は、家に居ると落ち着かないような気がして、必ずといっていいほど外に出ていた。ひとりで本を読んだり、記事を書いたりする時も駅前のカフェを利用していた。それも行くのをやめてここ最近はずっと家での作業になるが、案外落ち着いて集中できている。人間なんでもやってみないとわからないものだ。


書く時は必ず、the pillows(ザ・ピロウズ)の曲をかける。昨年30周年を迎えたおじさまバンド。高校生の頃から大好きだ。受験の時には代表曲「Funny Bunny」に背中を押してもらった。ピロウズを知らない人もこの曲だけは聞いてみて欲しい。
私はとにかくピロウズでないと物事に集中できない。他のアーティストの方の曲をかけながら執筆をしたことがあるがダメだった。全曲知っているくらいなのはピロウズだけということもあり、知らない曲が出てくると、どうしても曲を追いかけて、そっちに集中力を取られてしまうのだ。「曲名なんだろう」「どんな歌詞かな」とか思って携帯の画面を覗く。執筆どころではない。ピロウズであればその心配はない。シャッフル再生にはせず、アルバムごとに必ず頭から聞く。これが最高に集中できるバックミュージックだ。実家のような安心感がある。ひとりの家でも気分良くいれるのはピロウズさんのおかげだ。


時間があるので、料理もほんの少しだけ手間をかけてみることにした。先日NHK放送していた「きじまりゅうたの小腹すいてませんか」で、ピカタを作っているのを見て、「やったことないけど、これならできるかも・・・」と思って挑戦した。同じように作って問題なく出来たように見えたが、一口食べるとなんだかクドイ味がする。あまりおいしくない。食べながら考えていたが、途中で入れた砂糖が原因だったのかもしれないと気づいた。肉の周りの卵がおいしくなるかなと思って私のアレンジで加えたものだが、完全に逆効果だった。きじまりゅうたさんのせいではない。いきなり我流に走っても良いことはないんだと舌で思い知った。悔しくて翌日再チャレンジしたらちゃんとおいしかった。卵にチーズを混ぜてもいいかもしれない。


こんな感じのひとりぼっちの生活で、特に刺激的な何かが起こるわけでもないのだが、案外楽しめている。個人的には全然苦じゃない。今までの生活を振り返ってみると、土日にはどちらか必ず予定を入れようとしていた。とにかく外に出ないと落ち着かなかったのだ。充実した休日を送れていないような気がして・・・

よくよく考えてみると、私は「休みの日の過ごし方はこうあるべき」というライフスタイルのあり方を自分の中で作り上げていて、それに沿わないのは良くないことだと、勝手に決めつけていたのかもしれない。いや、自分の中で作り上げたというより、世間一般の価値観が知らないうちに染み付いていたという方が正確だろうか。「外に出て行った方が健康的」だとか「いろんな人に会って、いろんなところに行って、いろんな経験をした方がいい」だとか。もちろんいいことだと思うし、それで得られたこともたくさんある。でも自分に合わないことを無理してやり続けることもない。(例えば私はパーティとかの大人数の飲み会が苦手だ。初対面の人と話すのはかなり疲れる。仕事は営業だというのに)この日々は、自分が本当に時間を使いたいことがなんなのかをはっきりさせてくれている気がする。こうした考えを巡らせていられるのは、今この状況で周りも同じように動いていないという安心感も大きく影響しているのかもしれない。周りを気にしがちな私だから。

また、こうしておひとりさまを謳歌する私を棚に上げるようで恐縮であるが、ひとりでもいられる、ひとりでも楽しめる人は精神的にも強いのではないかなと思う。古今東西問わず、ほとんどの人がひとりでは生きていくことはできないだろうし、孤独にずっと耐えられるほど強くもない。ただ、いろんな人と生きていく中では、自分の思うようになることの方が少ない。人間関係うまくいかないことなんてしょっちゅうだ。そんな時、自分の中にも寄りかかる支えがある人は強いのではないかと思うのだ。もちろん、いろんな人に寄りかかれる人もそれはそれで強い。だが、ひとりを楽しむという武器は、孤独で気が狂いそうになることを防ぐものになると思っている。私の中ではリスクヘッジの一つのように捉えている。

勝手におひとりさま上級者だと自負している私だ。今度「ひとりきりマニュアル」なるものでもまとめてみようかしら。

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