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やってはいけない「長男」の相続

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著者: 税理士法人レガシィ

出版社: 青春出版社

 高校生のとき、祖父が亡くなった。その祖父の葬式が強烈に印象に残っている。葬儀中に親戚の一部が相続の話をしていたのである。葬儀中に相続の話をする必要があるのかと憤りを感じた。しかし、同僚の祖父が亡くなった際に、同様のことが起きたというのである。相続はきちんと考えなければ争いを引き起こす、そう感じた。
 相続はお金持ちの家庭だけで発生するものではない。現金はもちろん、不動産、家財、ゴルフ会員権など、多くものが相続の対象となる。しかもプラスのものだけでなく、借金というマイナスなものも相続の対象となる。場合によっては遺産放棄することも大事なのである。相続の分割は、民法では均分相続となっているが、家族で協議して決めることが多い。その結果、現状では相続の7割を本家が相続している。本家とは長男のことだ。これが相続争いを引き起こす原因となっているのである。なぜ本家相続が争いの原因となるのか。現金など分割可能なものであれば大きな問題にはならないが、実家などの不動産は分割不可能である。共有資産にすると、改装する場合にも家族間で協議が必要であったり、掃除を誰がするのかといった問題がある。そういったことが積み重なり、争いに発展していく。主導権をもつ長男だからこそ、家族間のコミュニケーションを密にすることや普段からの気遣いで、協議を円滑に進められる関係を築き上げておく必要がある。
 相続争いが起きるのであれば、遺言書を書いて貰えばいいのではないかと思うだろう。しかし、死に直面している親に「遺言書を書いてくれ」と頼むのだろうか。それは親への配慮が欠けているのではないだろうか。いつまでも親に頼らず、残された人たちで協議して決めるべきである。

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written by 左利きは僕のあこがれ